理事長ブログ

NPO法人多摩在宅支援センター円が10年目を迎えました!

「石の上にも3年」と言いますが、今年度「多摩在宅支援センター円(以下 円)」は10年目を迎えています。

「時の過ぎゆくままに、この身を任せ・・・」とはいかない事業を、10年前に開設してしまいました。当初は看護師3人で何でも行い、毎日午後10時過ぎまで仕事をしていました。

 

思い起こせば、「障害者自立支援法」が翌年から始まろうとしている20056に「制度にからめ捕られないように、ニーズに合わせて仕事がしたい!」とNPO法人設立しました。

 

あの時代、いや今でも、精神障害者の社会的入院者の退院支援が遅々として進まない現状や、社会的無支援者の方に支援が届いていない実情に対し、日頃から不全感を覚えていました。

そして、度重なる制度の改正の中、通所系福祉サービスは徐々に拡充されつつありますが、訪問系サービス(特に医療)が極めて少ない現状が1つの原因であると考えていました。

 

そこで2005年9月に「医療と福祉をつなげる仕事」として「訪問看護ステーションえん」を八王子市に開設したのです。

開設当初、「私たちは、その人らしい豊かで多様な生活を応援します!」という理念を掲げ、下記のような活動方針を挙げました。

この活動方針は、今でも継続しています。

(1) 地域特性を活かした小規模多機能型事業の実施  ~ 多様なニーズに応える

(2) 多摩地域での精神障害者の在宅支援             ~ 社会的入院者の退院支援

(3) 地域ネットワークへの参加           ~ 医療と福祉を繋ぐ活動

(4) 起業視点での事業展開                       ~ 経営戦略の必要性

この理念は開設当初に決めたもので、訪問看護で行き詰まった時、この理念に沿っているかどうか」を、立ち止まって考える際に、改めて「その人らしい生活とは…」と言う言葉が実感できました。

今で言う「リカバリー」が理念となっていることに気がついたのは、2、3年後でした。

開設パーティーにいらしてくださった行政の係長から委託事業の話があり「居宅生活安定化自立支援事業」を怖いもの知らずで受託し、すぐに多職種チームが出来ていったことも、つい最近のような気がします。

「医療」と「福祉」が共存することで多様なニーズに応えられ、包括的なアウトリーチ支援が始まりました。

初年度から戦略的にエリアを広げ、2年目には立川市に「訪問看護ステーション元」を開設し、精神科訪問看護を得意とするステーションとして地域にも浸透されつつあり、近隣の依頼が増え、地域的・効率的・経営的にも比較的早く安定してきました。毎年合宿を行い、中長期計画を立て所長・副所長にプレゼンを行なってもらい新規事業を行ってきたことや、風通しの良い事業所つくりの為、外部からの実習や訪問同行、ヒアリング、研究協力などの受け入れも、職員のモチベーションを上げることになっていったと思います。

 

その後、10年目を迎え、地域のニーズに応えていくうちに今日では、医療・福祉事業が10事業に増え、職員も70名を超えていきました。

いくつもの小さな山を越えた現在、大きな山を越えようとする時期に来ていると思います。

 

 

精神科訪問看護の依頼者の増加、広範囲からのニーズに応えること、NPOの規模の限界(株式会社の導入)等々、課題を抱えながら20122月に「株式会社 円グループ」を立ち上げました。

3つ目の訪問看護ステーション卵(らん)は(株)円グループの傘下に入ることにしました。更に、この10月1 日には、NPO法人の訪問看護ステーション円を廃止し、新たに(株)円グループの傘下に入ることで「訪問看護ステーション円」が生まれ変わります。しかしながら、今までの理念は変わらず訪問看護を行っていきます。

 

 

大きな山を越えるためには、今後私たちの理念に沿った事業を継続させ「利用者中心の事業」を展開させていかなければなりません。10年目を区切りとするならば世代交代を考えながら、障害があってもなくてもリカバリー出来る世の中になってほしいものです。

大きな山は、独りでは越えられません。地道に、利用者のニーズに応えながらあきらめず、ゆっくりと歩いていきたいものです。

 

(「enen通信 no.12」掲載分 より)

 

2014年10月1日(水)15:12 | 理事長

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